- その他調査
- 岡山県にお住いの30代の男性からの相談です
007みたいなスパイは実在しますか?
- 30代男性
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007みたいなスパイは実在しますか?
実在するとすれば、どんな仕事をしているのですか?
- 調査員:福田
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調査員:福田からの回答
スパイは存在しますが、007みたいにバンバン人を殺したりしません。どんな仕事をしているのかは秘密です。
そもそもスパイの仕事は何でしょうか?
1. 他国の秘密を収集する
2. 他国に偽情報を流す
3. 互いの利益が一致すれば水面下で協力する。
スパイは国益を守る事が仕事です。
映画と違って原則としてスパイは相手のスパイを殺しません。
スパイの世界は、やられたらやり返すのが原則です。
モスクワで英国のエージェントのカバンが盗まれたら必ずイギリスでロシアのエージェントのカバンが盗まれます。
モスクワでアメリカのエージェントの左腕が折られれば、必ずアメリカでロシアのエージェントの左腕が折られます。
ロシアで英国のエージェントが国外退去になれば、必ず英国に居るロシアのエージェントが国外退去になります。
腕を折られても毒を盛られても濡れ衣を着せられて国外退去になっても一切何もしないのは日本位なものです。
なぜ、その様な人たちが居るのでしょうか?
国家と国家はプライドと意地の張り合いになる事があります。
妥協すると負けです(日本はそう考えていない様ですが・・・)、向こう100年は世界中から負け犬呼ばわりされます。
しかし、いつまでも意地を張っていてはお互いの国益がかないません。
よって、水面下で「お互いそろそろやめようぜ」と持ちかけるのも仕事一つです。
バックチャンネルと呼ばれています。
1988年のソウル・オリンピックには久々にソビエトが出てきました。
これには一人の日本人エージェントが関わっています。
その方をMさんとします。M氏はKGBにもチャンネルをもっています。
韓国オリンピック委員会はソ連側に正式な文書を送りますが、きちんと届いたり、無視されて返送されてきたり・・・ソ連側の真意がつかめない状態が続いていました。
そこで、M氏がKGBルートでソ連側に参加の意思が有るのか否か確認したところ「参加する事はすでに決定済み」との回答を得ました。
さらに調査過程で手紙が届いたり届かなかったりする理由も判明しました。
まじめな郵便職員がその手紙を扱った場合「国交がない韓国からの手紙」なので返送処理、怠惰な職員の場合は、無事にソ連オリンピック委員会に届くという形になっていました。
「届いたかと思うと未開封のまま返送されてきたり・・・よほど内部で揉めているのだろうか?」と韓国側を戸惑わせていましたが、その報告に大いに喜んだと言います。
古来より、「正々堂々」「直球勝負」が正しいとされ、裏でこっそりは、卑怯であるとされてきました。
確かにその一面は否定しませんが、場合によっては裏でこっそりも悪い事ばかりではありません。