鬼籍に入った母の文箱

40代 女性

80代の母が先日亡くなりました。
父はかなり昔に他界しており、兄弟のいない私にとって最後の肉親がなくなるという出来事でした。

帰る拠り所を亡くした気持ちでお葬式の為に母の遺品を片付けていると、桐箪笥の奥から文箱を見つけたのです。
中を開けてみると母が生前書き溜めていた手紙がありました。
私は母の筆跡が懐かしくなり、片付けをする手を止めて読みふけっていたのです。
文箱の底にあった手紙を呼んだとき、読まなければよかったと思うほどに後悔しています。
それは、母が誰に出すでもなく自分の心情を吐露した内容の手紙でした。
その内容は、私が父の子どもではないことが綴られていたのです。

そして私の本当の父は、父の実親だという事も書かれていました。
亡くなった父はこの事を知っていたのでしょうか。
今では聞くことも叶わないのですが、知ってしまった事実を受け止めきれず、私は今でも母の事を考えると鬱になります。

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