探偵まめ知識

採用時の身辺調査「採用した社員を調査したい」

●採用した社員の身辺調査は違法ではありませんか?

採用した社員の身辺調査は、信用できる人物かどうかを調査する明確な目的があるため、法律では、採用時の身辺調査は禁止していません。

企業が、採用した社員の履歴書及び職務経歴書等に相違点がないかどうかを調べることや、居住地近隣での風評、退職理由や退職した企業での勤務状況を調査することも、特に問題はありません。

●厚生労働省での取り決め

厚生労働省は企業に対し、宗教・思想・本籍・出身地・家族に関することなどについての採用選考時の身元調査は行わず、面接などでも質問しないよう配慮を求めています。

【採用選考時に配慮すべき事項】

次のaやbのような適性と能力に関係がない事項を応募用紙等に記載させたり、面接で尋ねて把握することや、cを実施することは、就職差別につながるおそれがあります。

a.本人に責任のない事項の把握

・本籍・出生地に関すること
(注:「戸籍謄(抄)本」や本籍が記載された「住民票(写し)」を提出させることはこれに該当します)
・家族に関すること(職業、続柄、健康、地位、学歴、収入、資産など)
(注:家族の仕事の有無・職種・勤務先などや家族構成はこれに該当します)
・住宅状況に関すること(間取り、部屋数、住宅の種類、近郊の施設など)
・生活環境・家庭環境などに関すること

b.本来自由であるべき事項(思想信条にかかわること)の把握

・宗教に関すること
・支持政党に関すること
・人生観、生活信条に関すること
・尊敬する人物に関すること
・思想に関すること
・労働組合、学生運動など社会運動に関すること
・購読新聞、雑誌、愛読書などに関すること

c.採用選考の方法

・身元調査などの実施
(注:「現住所の略図」は生活環境などを把握したり身元調査につながる可能性があります)
・合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断の実施