高齢者の所在不明が増えている理由
なせ、高齢者の所在不明が増えているのでしょうか。
東京都足立区で起こったミイラ化した男性が発見されてから、一時、高齢者の所在不明が話題になりました。
その原因は、主に二通りの理由が考えられます。
東京都足立区のミイラ化男性は皆さんの記憶に新しいニュースかと思います。
これは、家族が不正に年金を受給するために、男性の死亡を隠していました。
同じように、家族が年金を不正に受給するために、「所在不明」の身内を、あたかも存在しているように装うケースが見られます。
本来であれば、死亡届や、失踪届などをしかるべきところに提出していれば、日本の高齢者の所在不明は、もっと少ないのではないでしょうか。
日本では、かつて「3世代同居」の家族が多くみられていましたが、ここ20~30年は、核家族化が進み、高齢者が成人の子供と離れて暮らすことが増えてきました。
また、同様に、年齢を問わず1人暮らしの世帯が非常に増えて、家族や親戚等との付き合いがなく、東京や大阪などの都市部では、ご近所付き合いも少なく、非常に人間関係が気薄な世の中になってしまいました。
若い世代は、仕事などの関係で、社会との関わりを持っていますが、高齢者は、社会とのかかわりがだんだんとなくなってしまい、結果、どこかに引っ越しても、誰も所在が分からなくなってしまいます。
核家族化が進み、人間関係が気薄になることで、家族も所在が分からない、高齢者が増加している傾向です。
核家族が増えるよう、非婚化も同様に増加しています。生涯独身の方は、子供のいない世帯となります。
その場合、子供も、配偶者もいない独身の高齢者は、家族がいないことで、所在の確認が非常に難しくなります。
核家族化、非婚化で、「高齢者の所在不明」は増加する傾向にあります。
また、高齢者に対し、若年者の割合が低くなりますので、自然に「高齢者の所在不明」の調査が非常に困難な世の中になってくるのではないでしょうか?
現状では、年金の不正時給や戸籍の問題がクローズアップされていますが、今後、「高齢化の所在不明」が増えることで、それ以外の問題も出てくる日が近いかもしれません。