20代前半の頃です。当時私は学生でした。

30代 男性

20代前半の頃です。当時私は学生でした。
中学校の同級生とひょんなことがきっかけで再開し、12月初め頃から付き合うことになりました。
地元の同級生ということもあり、彼女についての噂をよく耳にしましたが、あまりいい噂を聞いたことがありませんでした。
しかし一度好きになってしまうと周りの声は聞こえなくなるものです。
友人からも交際を続けない方がよいのではというアドバイスをもらいましたが、逆に障害が大きいほど恋は燃え上ってしまい、ますます恋愛にのめり込んでいきました。

交際を始めて1カ月弱経った頃が丁度クリスマスイブでした。
初めてのイベントであり、映画やディナー等楽しい時間を過ごした後の帰り際のことでした。
彼女の携帯が鳴り、急に表情が変わったかと思うと私から距離を置いて電話を取り、小声で話し出しました。
会話を終えて電話を切った後のことです。
「急用ができたので帰ります。」
一言私に告げるとさっさと帰ってしまいました。
私も当時は人を疑うことを良しとしなかった為、よっぽどの急用なんだとその場は勝手に納得して帰りました。

その後も何度かそういうことがありました。
その度に私が気にもしないそぶりを続けた為、逆に彼女が不安がってある日自分から告白してくれました。
生活費や交友費を援助してくれている男性がいること。
そして電話がかかってくる度にその男性に会いに行っていたことを。
大変驚きましたが、彼女と真剣な交際をしたかったのでその場で私は言いました。
「その男性との関係を続けるのであれば、これ以上付き合うことはできない。どちらかを選んで欲しい。」

それに対して彼女は泣きながら謝罪し、その男性との関係を解消してくれました。
金銭よりも私との恋愛を選んでくれたので、とても嬉しかったことを覚えています。
その後の2年間は私にとって大変楽しい時間でした。
今でも時々思い出すことがあります。
残念ながら既に彼女とは別れてしまい、今ではそれぞれ家庭をつくって幸せに過ごしていますが、あの頃のように人を純粋に好きになることはもう無いのではと少し寂しく思います。