単身赴任でよくある事

40代 男性

三年前、突如として言い渡された海外赴任。
辞令直後に嫁や子どもとついてくるか、日本で待つかを聞いたところ、日本で待ちたいというので不安はあったが納得した。
そしてこの夏、やるべきことをやり、それなりの成果ももって晴れて凱旋帰国。
会社に報告を終えてしばらく休暇になるのもあり、三年ぶりの我が家に帰ってみると、物の見事に嫁が浮気をしている現場にかちあってしまった。
晴れ晴れとした気持ちが一瞬で地獄に落とされた気分だった。
出来心だと泣きながら謝罪する嫁を目の前に、ふと子ども達はこの事を知っているのかと思った。
中学生と高校生の子どもは、うっすらと気づいたようだった。
本来だったら、楽しい夕食になるはずが暗い雰囲気で家族会議を始めたところ、子ども達はこぞって俺と一緒に生活したいと言ってくれ、嫁とは一緒にいたくないと言った。
その言葉で十分だった。

後日、会社の上司に離婚する事を相談すると、何も言わずに弁護士を紹介してくれた。
単身赴任で家をあける既婚男性社員には、よくある事らしい。
自分もそうだったと教えてくれた。