妻には両親によって別れさせられた恋人がいました

50代 男性

私と妻はお見合いで結婚し、25年近く連れ添っています。
妻はどちらかというと物静かな性格で、自分から積極的に動くことはしません。
子供たちも良く育ち、それぞれに結婚し家を出ています。

私には十分すぎるほどの出来た妻ですが、ずっと気になっている事があります。
その気になっていることを、銀婚式を迎えるにあたり確認することにしました。
それは、妻にはお見合い当時、付き合っていた恋人がいた事です。
当初私は妻に一目ぼれに近い状態でしたので、妻本人の意見というよりも、妻の周囲に強く働きかけて結婚したようなものでした。
時代が時代だけにお見合いで当人の心情は考慮されない時代です。
妻は恋人と別れさせられて私を一緒になったのです。

妻に本当の気持ちはどうなのか、今でも相手の事を想っているのか。
今更ですが、問い詰めるという事ではなく、自分が長いこと気にしていた事として話を始めました。
すると、妻は静かに泣いて頭を下げました。
本当は恋人と別れてはいなかった。
結婚式の前日、本当は駆け落ちをする約束だったけど相手が来なかった。
30代になり、同窓会で地元に帰った折当時の恋人と再開してしまった事。
その時、たった一度だけ過ちを犯したと。そういった事を泣きながら話し出したのです。
妻は一度の過ちに自分のしている事の恐ろしさを知り、以降恋人だった人との接触を絶ったそうです。

その告白にショックを受けましたが、元より妻が恋人をいるのを知って半ば無理やり一緒になったのです。
しかも既に関係が終わっている事で今更怒ることなどはしませんでした。
妻が私を選んで一緒に生きてくれた事が恋人と過ごしていた期間よりも遥かに長い期間です。
銀婚式で改めて妻にプロポーズをしてみようと、気持ちを改めました。